町指定有形文化財。
スギ材による白木の唐櫃。脚のつかない和櫃と区別して、脚をつけた形式を唐櫃と称する。すでに被せ蓋を失っているが、辺材型で1369年の年輪年代が得られたので、南北朝時代の唐櫃であることが判明した。唐櫃には儀式用具や衣類なども収納されるが、白木造りのものは主に公験などの重要文書を保管するために調えられる。三徳山ではこの唐櫃と時期を同じくする永和元年(1377)7月に、投入堂の檜皮茸修理を行ったことが棟札から知られるので、これはそうした修理事業を機に、公的書類を整理して後代に伝えるために調えられた唐櫃と考えられる。