桓武天皇の子孫として生まれた平将門は、東国に天地を切り拓き、自主独立の営みを理想とする父親ゆずりの考えをもっていた。
京の都で摂政藤原忠平の護衛武士として仕えていたが、父良将の急逝をきっかけとして起きた遺領をめぐる伯父良兼を中心とする一族との紛争に巻き込まれてしまう。
その最中に、都で栄華を極めて中央政権を掌握している藤原一門に反発し、王政復古の野望を持つ興世王にそそのかされた将門は「新皇」と称し、東国の分国化を企て、内乱に踏み切らざるを得なくなる。
そして天慶三年、藤原秀郷、平貞盛らの追討軍によって討たれてしまう。
朝廷にそむいた逆賊とされたが、東国の民衆は、彼を英雄として慕い、その人気は後世にまで続いている。