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草花文様四つ替小袖

不明16th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

金箔と銀箔を不規則に組み合わせた金銀地を背景に、初春の梅、暮春の藤、秋の楓、冬の雪持ち笹と、四つに大きく分割した背面の区画それぞれに、季節を象徴する草花を繡いあらわした小袖である。室町時代の文献では、「八つ替」など、背面を分割した区画数で小袖の意匠を記述しており、それに従えば、これは四つ替の小袖となる。現代のきものを見慣れた目には、身幅に比して袖幅が著しく狭く思われるが、これは桃山時代までの小袖の仕立てに見られる典型的な特徴である。
大胆に意匠化された草花は動きに満ち、大らかな生命力にあふれている。それらを表現するのが、輪郭線を平行に糸渡り長く繡いとる「渡し繡(ぬい)」という刺繡技法である。1枚の花びらや葉の中で唐突に色を変化させる色替わりは、この渡し繡によって生み出されている。
 衣服とは身体を包み守るものであり、それゆえ、その文様には吉祥の意味がこめられてきた。1領のうちに1年の景物を揃えたこの小袖には、同時代に数多く描かれた四季花鳥図と同じように、四季の生命力が横溢する理想郷が表現されているのだろう。

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