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鳩摩羅什と共命鳥

柳谷 優碩、青森市PTA連合会2006-08-02/2006-08-07

青森ねぶた祭

青森ねぶた祭
青森市, 日本

「色即是空空即是色」この有名な八文字は、鳩摩羅什が生み出したものでございます。
仏の教えは人々に広く伝わってこそ意味が有ると、救いをもたらす理想郷を、分かりやすい二文字で、「極楽」と言う言葉を、仏典の中で初めて使ったのも鳩摩羅什でした。

鳩摩羅什は、ある想像上の動物に自分を重ねていました。共命鳥です。 シルクロードに伝わる伝説の、共命鳥は、頭が二つ胴体が一つ、一方の頭は昼に起き、他方は夜に起き、何時も互いに嫉み啀み合っていた。 終に一方が他方に毒を飲ませ、共に死んでしまう。 それは善と悪とを併せ持つ、人間の心の矛盾と葛藤を象徴している。 このような鳥でも極楽浄土では幸せの歌を歌う事が出来、極楽とは善も悪も許される永遠の都。 破戒僧鳩摩羅什は、この鳥に僧侶であって僧侶で無い、自らの運命を託したのでしょう。
そして鳩摩羅什は、晩年考え抜いた一つの思想を教典の中へ偲ばせました。
「煩悩是道場」煩悩の中にこそ悟りが有る。悩めるからこそ救いが有るのだ。 煩悩そのものを肯定し、悪人すら救われると言い切ったのでした。

鳩摩羅什が長安で歿したのは、六十九歳、西暦四百十三年の事だったと言われます。
日本に仏教が伝来したのは、それから百二十年あまりも後の事でした。
鳩摩羅什訳の教典は、凡そ三百巻、これらの教典は、天台宗や浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、禅宗、など、中国や日本の仏教の基本教典となり、 今でも鳩摩羅什訳の教典は、宗派を超えて日々のお勤めや法事に読まれています。

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  • タイトル: 鳩摩羅什と共命鳥
  • 作成者: 柳谷 優碩、 青森市PTA連合会
  • 日付: 2006-08-02/2006-08-07
  • 所在地: 青森市
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