印象自身によって設立され、1966年10月に開館。美術館を建てるにあたり、印象は1952年にヨーロッパで見学した宮殿や邸宅を用いた美術館を参考に独自の美の可能性を追求したという。こうして建てられた美術館は、建物の外壁はもちろん、ポーチ、柱、玄関、窓枠、館内装飾に至るまですべて自らが手がけた立体抽象作品そのものといえる。建設にあたって制作された壁面装飾や館内装飾部分をデザインした多くのスケッチからは、自身の美術館空間を独自に創造しようとする印象のエネルギッシュな思いが汲み取れる。これらのスケッチにみられる印象が創り出した装飾形態は、現在でも美術館内に残されている。