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大内義興官途推挙状

差出:(大内義興花押) 宛所:(王丸九郎次郎)1497

福岡市博物館

福岡市博物館
福岡市, 日本

左掲の文書は、昭和43(1968)年の調査時には洩れており、すでに分散流出していたようである。宛所は、恐らく表装の際に切り取られ見えないが、「児玉韞採集文書」三に収録されていたので、元は「王丸九郎次郎殿」と記されていたことが分かる。内容は、山口を本拠に筑前・豊前を領した大内義興(よしおき)が王丸九郎次郎に対して、高祖城(たかすじょう)(福岡県福岡市西区・前原市所在)に籠城した勲功により、中務丞の官途(かんと)を京都に推挙するというものである。ここにみえる合戦は、狭い地域の小競り合いといったものではなく、九州の戦国時代を画する重要な政治的大事件であった。この時、大内氏が戦った相手は、鎌倉時代以来、筑前太宰府(現福岡県太宰府市)を本拠に北部九州および対馬・壱岐を領していた少弐(しょうに)氏で、少弐氏は敗北により没落が決定的となった。この合戦以降、少弐氏は肥前東部における局地勢力となって政治的求心力を失い、大内氏と大友(おおども)氏の対抗関係が鮮明となり、九州の政治構造が転回する大きな画期となったのである。

釈文:
中務丞所望事、就
今度高祖在城勲功、可
挙申京都之状
如件、
(大内義興)
明応六年六月廿一日(花押)
(王丸九郎次郎殿)
【ID Number1995B00175】参考文献:『福岡市博物館名品図録』

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  • タイトル: 大内義興官途推挙状
  • 作成者: 差出:(大内義興花押) 宛所:(王丸九郎次郎)
  • 日付: 1497
  • 実際のサイズ: w36.6 x h26.2 cm
  • タイプ: 古文書
  • 外部リンク: http://museum.city.fukuoka.jp/
福岡市博物館

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