《型友禅》
型友禅には、摺り刷毛で染料を摺りこんで染める「摺り友禅」と、染料を混ぜた糊で生地を染める「写し友禅」があります。写し友禅でつかう色糊は、もち米や糠(ぬか)を主原料とする固形の友禅糊と、液体染料を石灰棒でまぜ調合します。糊の表面色と実際の仕上りの色がかなり異なるため、何度も裂で試しながら最終決定をします。この色糊で文様を型で糊置きし、蒸すと染料だけが生地に染み込み、残った糊は水洗いし落としてしまいます。最近では糊を作る業者もほとんど無くなり、型染めに限らず糊を使用する手描き友禅、江戸小紋、紅型等の染め関係者は危機感をつのらせています。