錠

中央に大きく配された女性のバックは白と黒に塗り分けられ、多くの錠前がぶら下がっている。女性は大きくデフォルメされ、その顔から首にかけての形は錠前の鍵穴そのものである。鍵や錠からは秘密めいたセクシャリティーを連想しがちであるが、一面に並べられた錠は、それぞれ彼女が自由に選び、聞くことの出来る生活を意味しているものとも考えられる。バックの白黒や女性の憂いを含んだ表情は、その選択には明暗がともに潜んでいることを暗示するかのようである。