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孔雀明王像

13世紀前半

東京藝術大学大学美術館

東京藝術大学大学美術館
台東区, 日本

大きく羽根を広げる孔雀の上に坐した優美な姿。菩薩のような慈悲相の孔雀明王は、この世のすべての災厄に打ち勝つ秘法の本尊であった。

 インドでは孔雀は毒草毒蛇を食べても消化でき、甘露に変えると信じられていた。孔雀明王は、不空訳『孔雀明王画像壇場儀軌』に説くところでは、金色の孔雀に乗り、白蓮華上或いは青蓮華上に結跏趺坐し、慈悲の相をなし、四臂には開敷蓮華、倶縁果、吉祥果、孔雀尾を執る、とある。本画像もそれにしたがって描かれている。これを本尊とする孔雀明王法は天変・祈雨・止雨・安産・病悩など、あらゆる息災のために修する法で、日本では醍醐寺長者や仁和寺宮などの他には容易に許されない秘法とされた。本画像では、顔や肉身部は鉛白に朱を混ぜた肌色を画絹の表裏両面に厚くぬり、朱線で描き起こしている。宝冠や装飾品は絹裏に金箔を貼った裏箔の技法によると見られるが、剥落が激しいのが惜しまれる。着衣や裳には寒色系の彩色がなされ、本図の制作が鎌倉時代に入ってからのものであることを示している。(執筆者:高瀬多聞 出典:『芸大美術館所蔵名品展』、東京藝術大学大学美術館、1999年)

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  • タイトル: 孔雀明王像
  • 作成日: 13世紀前半
  • 実際のサイズ: 98.8 x 57.6 cm
  • タイプ: 掛幅装
  • 外部リンク: 東京藝術大学大学美術館
  • 媒体/技法: 絹本着色
東京藝術大学大学美術館

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