元時代 13世紀
無住子筆・同賛
[伝来]足利義満(足利将軍家第三代)―足利義政(足利将軍家第八代)―豊臣秀吉-神龍院梵舜-徳川家康(徳川将軍家初代)―徳川義直(尾張徳川家初代)
朝陽図・対月図はもと双幅であったが、布袋図と組み合わされて三幅対になった。筆者も製作年代も前者とは異なっている。「対月図」の賛に「無住子作并書」とあり、「朝陽図」の賛には「元貞乙未夏午」とあり、筆者は無住子、元の元貞元年(一二九五)の作と知られる。胡直夫と同様、その伝記は知られていない。江戸時代初期には三幅とも牧谿作と伝称されていた。布袋図下部隅に義満の鑑蔵印「道有」が捺されている。朝陽図・対月図には同じく義満の鑑蔵印「天山」がある。