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巌樹遊猿図屏風

式部輝忠16th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

古くより式部輝忠(しきぶてるただ)(生没年不詳)は祥啓(しょうけい)や仲安真康(ちゅうあんしんこう)(ともに鎌倉建長寺の画僧)と同一人物とされてきたが、まったくの別人で、およそ16世紀半ば頃、同じ関東を中心に活躍していたことが明らかとなった。また、遺作の多くを膨大な数の扇面画が占めるところから、扇絵工房を主宰していたとする説も唱えられている。さらに、具体的な活動の場については、駿河の守護・今川家の御用を務めていた可能性も指摘されているが、その当否については今後の検討が待たれる状況にある。
本図は式部筆の屏風絵4点のうちのひとつで、山深い水辺の景観とそこで戯れる猿たちの姿が牧谿(もっけい)(南宋時代の画僧)を思わせる柔らかみのある筆遣いをもって描出されている。岩などにみる煩雑な打ち込みには明らかに祥啓画あたりとの脈絡が示唆されるが、他方、緊密かつ堅固な構図法には狩野派からの影響も顕著である。擬人化されてあらわされた猿の表情が何ともほほえましい。

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