ミンウェーアウンは、ミャンマーの仏教僧が列をなして歩く後ろ姿を、温かな色使いでノスタルジックに描くことで、広く知られるようになった1990年代以降のミャンマーを代表する国民的画家。この作品では、ミャンマーで貴さの象徴でもある伝統的な日傘を差して微笑む少年僧を、幻想的かつコミカルに描き出している。傘と僧がまとう袈裟のオレンジ色が反射して彼らの顔を照らし、蒸暑く強い日差しのミャンマーらしい空気感を作り出している。この作品に見られる、人物をジグザグやS字状に配置する構図は、画面の奥に消え去るような効果で人気を博し、作者に特徴的なスタイルとして美術市場で評価され、多くの追随者を生んだ。