鳥取県内では唯一の国宝建造物で、日本を代表する木造建造物の傑作。以前は国重要文化財の7躯の蔵王権現立像が安置されていた。
慶雲3年(706)、役行者が白雲に乗じてこの峰に来り、神窟を開き、法力を持ってこの堂宇を投げ入れたと伝えられることから、「投入堂(なげいれどう)」と呼ばれる。
山岳仏教の代表的な建造物で、堂の主屋は、桁行2間、梁間1間の切妻桧皮葺きの木造建築。千尋の断崖に臨む岩窟内の懸造と床下の大胆な工法で天下の奇構といわれる。
日本古来の神道的思想が色濃く残り、自然との共存共栄を表現したと云われる姿は、訪れる方々に感動を与える。
正式には手前を「蔵王殿(ざおうどう)」、奥の建物を「愛染堂(あいぜんどう)」と呼ぶ。建築様式や年輪年代測定値からは平安時代後期の建築であることが明らかとなっており、今も平安時代後期の木材が使用されている日本の宝。