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色絵釘隠

伝野々村仁清17th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

 金工品である象嵌七宝(ぞうがんしっぽう)の釘隠を陶器で写したと考えられるもので、素焼してから透明な釉薬をかけて本焼し、上絵付の技法でさまざまな色合いの絵の具を焼き付けている。金と他の色絵の具を同時に焼き付けることはできないので、完成までに少なくとも4回は窯に入れて焼かれていることになる。
 丸亀藩京極家の伝来品で、扇形の釘隠は京極高或(きょうごくたかもち)(1692~1724)が藩主であった元禄8年(1695)の『万御数寄道具御印帳』に、「一、赤絵御室二枚扇釘隠シ 三拾」と記されているうちの17個に当たると考えられ、「御室」とは江戸時代前期の京焼を代表する名工・野々村仁清(ののむらにんせい)(生没年不詳)の窯で焼かれた御室焼であることを示している。菊形の釘隠についても、京極高矩(きょうごくたかのり)(1718~63)が藩主であった享保19年(1734)の『御印御数寄道具帳』に記載がある。
 印も銘も認められない小品ではあるが、金・銀・赤・青・緑と多彩な色絵の具を用いた上絵付は、やはり京極家に伝来した御室焼の色絵茶壺の一群との共通性が高く、仁清の作品の特徴をよく示している。

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