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ノルヴァン通り

モーリス・ユトリロ1910

名古屋市美術館

名古屋市美術館
名古屋市, 日本

モンマルトルのポトー街に生まれたユトリロが、絵を描くようになったのは18歳の頃。 ロートレックドガのモデルをつとめ、後にみずからも画家となったシュザンヌ・ヴァラ ドンの私生児として生まれた彼は、奔放に生きる母にまったく顧みられず、孤独な少年時代を過ごした。その淋しさを紛らわすように早くからアルコールに親しむようになり、10 代半ばにしてすでに中毒の症状を示すようになっていたという。絵筆を持つようになったのはその治療の一部としてであった。不承不承に始められた絵画制作は、やがてユトリロ の心をとらえ、数年後には早くもその創作の絶頂期を迎える 厚味のある漆喰のような白 と、遠近感を強調した空間表現を特徴とする、いわゆるユトリロの「白の時代」の始まり である。
この作品も「白の時代」の傑作のひとつ。画面中央、通りの彼方に小さく見えるドーム は、モンマルトルの象徴サクレ・クール寺院の屋根である。普段は観光客で賑わうこの町 の喧噪がまるで嘘のように、ユトリロの描く風景は森閑としている。太陽の光も人の気配 も感じられないこの風景には、印象派の画家たちが高らかに歌い上げた生の喜びはない。 あるものはただ白い壁に塗り込められた、画家の孤独な思い、描くことによってしか癒さ れない傷ついた心の哀しみだけである。
(出典: 『名古屋市美術館コレクション選』1998年、P. 29.)

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  • タイトル: ノルヴァン通り
  • 作成者: モーリス・ユトリロ
  • 作成日: 1910
  • 実際のサイズ: 73.1×92.0 cm
  • 来歴: 1992年購入
  • タイプ: 絵画
  • 権利: 名古屋市美術館
  • 媒体/技法: 油彩・厚紙
名古屋市美術館

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