精緻なカッティングによって身体の柔らかなカーブを捉えた本品は、クレージュが1963年から発表し続けたパンツ・スタイル。女性のパンツ・スタイルをサンローランと共にオートクチュールに持ち込んだクレージュは、サンローランのような男性服から転用されたパンツではなく、若々しい女性のための新しいスタイルを打ち出した。60年代は、若さというキーワードを軸に、新しさや清潔なイメージがより高い価値を獲得していった。クレージュの白は、常に真新しさへの憧れを人々に与え続けた。
「最後のクチュリエ」と異名をとるバレンシアガのもとで1950年から11年間、裁断士として腕を磨いたクレージュは正確なテクニックを駆使し、構築的な服を創り上げていく。バレンシアガから引き継いだ徹底的な厳格さにより、ブランドの拡大後も高い品質を保った。