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絹本着色 弘法大師像

不詳Kamakura Period(14th century)

福岡市博物館

福岡市博物館
福岡市, 日本

真言宗(しんごんしゅう)を聞いた弘法大師空海(くうかい)(774~835)の画像は宗派の隆盛と共に多数制作されたが、その図様には主に真言八祖として堂内壁面などに描かれる八祖様と、高野山で大師が入定する際に弟子の真如親王が描いたと伝える真如親王様(しんにょしんのうよう)の二系統に大別できる。本図では画面中央に背もたれのある牀座(しょうざ)に結跏趺坐(けっかふざ)して五鈷杵(ごこしょ)と数珠(じゅず)を握る真如親王様の弘法大師像を配し、その上部に奥院、下部に壇上伽藍(だんじょうがらん)といった高野山の諸堂を描いている。このような構図は弘法大師の画像としては珍しく、類例としては和歌山・金剛峯寺(こんごうぶじ)の「弘法大師・丹生高野両明神像(にうこうやりょうみょうじんぞう)」(問答講本尊(もんどうこうほんぞん))、あるいは上部の奥院図を欠く広島・尾道市の西国寺本(さいこくじぼん)など僅かな作例が知られているのみである。筆づかいは全体に柔らかな描線を用い、大師像も自然で落ち着いた品格を備えている。また伽藍図も赤外線写真によると根本大塔をはじめとする壇上伽藍、一の橋から連なる奥の院の様子が丁寧な趣のある筆で描かれていることがわかる。したがって本図の制作は鎌倉時代に遡ると考えられ、優れた原本にもとづいていることが想像される。
【ID Number1986B04336】参考文献:『福岡市博物館名品図録』

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  • タイトル: 絹本着色 弘法大師像
  • 作成者: 不詳
  • 日付: Kamakura Period(14th century)
  • 実際のサイズ: w50.4 x h115.4 cm
  • タイプ: 絵画
  • 外部リンク: http://museum.city.fukuoka.jp/
福岡市博物館

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