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IHS椿蒔絵螺鈿聖餅箱

不明16-17th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

聖餅(せいへい)を入れる容器。聖餅はイエスの身体を象徴するパンのことで、カトリック教会のミサで神父が信者に分け与える。本品は懸子(かけご)を伴い、黒漆地に金平蒔絵(きんひらまきえ)と螺鈿(らでん)を用いて蓋表にローマ字による紋章を描き、側面には絵梨地(えなしじ)もまじえて椿をあらわす。IHSはイエスの名を表す記号であり、これを光輪(茨の冠とする説も)で囲み、Hの文字に十字架を立て、三本の釘を刺したハートを添えるのは、天文18年(1549)に来日したフランシスコ・ザビエルの属したイエズス会の紋章である。蓋の蒔絵は残念ながら損傷が著しく、特に蓋表はほとんど後世の補筆と思われる。しかし、南蛮漆器の中でも礼拝用の図像を納める聖龕や聖書を乗せる見台は裕福な信者のために数多くつくられたが、神父しか用いない聖餅箱は制作数に限りがあったのか、世界的にみても十数点ほどしか知られておらず、貴重である。

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