アジア・太平洋戦争前の日本で人気のあった新聞の四コマ漫画「ノンキナトウサン」の作者として知られる麻生豊(あそうゆたか)が描いた絵巻である。彼のアトリエがあった東京銀座に視点をおき、敗戦後の「復興」の過程を描いている。この作品は、戦災の傷跡の残る銀座2丁目から5丁目にかけてのあたりを描いたもの。新築工事のための地鎮祭が行われていたり、露天で炊事していたりするようすがみえる。通りでは戦地からの帰還者、盛装の女性やデモ行進など様々な人々が活動している。ノンキナトウサンのキャラクターも描き込まれている。