軍服風のウールのルダンゴト。ウール製の総丈のコートは、モスリンの薄いドレスを着た女性達を極寒のヨーロッパの冬から守った。前空きを飾るブレードとくるみ釦で表現されたブランデンブルグ飾りは、ナポレオン軍の軍服からインスピレーションを得たユサール(軽騎兵隊)風と呼ばれ、ハイ・ウエストのルダンゴトに好んで使用された。イギリスの貴族の乗馬用ラインディング・コートが、1725年頃にフランスで防寒、防雨の狩猟用コートとして着られるようになり、その後軍用に採用される。やがてフランス語風に「ルダンゴト」へと転訛し、18世紀末から広く着られるようになった。男性服や軍服の機能性や実用性は19世紀初めの女性服に大きな影響を与えた。