足利義政・宗長・太原雪斎・今川義元・北条氏綱・豊臣秀吉・徳川家康(駿府御分物)・徳川義直(尾張)所用
本図は中国南宋時代の著名な画家、玉・によって描かれた瀟湘八景の内の一図で、義満以来の足利将軍家に収蔵された中国絵画の目録である「御物御画目録」に記載されている。もとは画巻であったが、足利義政(一四三六-九〇)が能阿弥、相阿弥に命じて切断させ掛幅に改装したと言われている。
逸気あふれる粗放な筆致によって、秋の夕暮の漁村の景を詩情こめて描き出した。本図左には玉澗の七言絶句の自賛と「三教弟子」の方印がある。