和算の関流長谷川門下である常陸笠間藩士甲斐駒蔵広永が著した測量術書である。
本書が出版された当時は、ペリー来航直前で、既に多くの西洋測量器具が輸入されていた。これらの西洋測量器具は、工作も精密で数学的な理論も伴って作られていたため、和算家がその原理や使用方法を研究するようになり、本書のような測量術書が多く出版された。
本書は、従来の木製測量器具を使用した基本的な町見術を詳細に説明し、高度な西洋測量器具である八分儀(オクタント)などは、基本を学んだのちに使うように、その販売店の広告などを巻末に掲げている。