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浮瀬盃

不詳19th century, Edo period

立花家史料館

立花家史料館
福岡県, 日本

いわゆる浮瀬(うかむせ)盃である。大坂新清水に元禄期(1688〜1704)からあった有名な料亭「浮瀬亭」にちなんだ盃である。この店には松尾芭蕉与謝蕪村、太田南畝、滝沢馬琴、シーボルトなど名だたる有名人が訪れている。店は様々な珍奇な盃を所有した。特に、七合五勺の「浮瀬盃」を所望すると主人浮瀬屋四郎右衛門が袴を着けて登場し、恭しく桐箱から「身を捨ててこそ浮かむ瀬もあれ」の和歌を蒔絵した内箱を取り出す。さらに内箱から鮑貝の巨大な「浮瀬盃」を取り出し、酒を奨める。これを飲み干した者は、店の帳面に名を記したと言われる。
通常の大きさの鮑の貝殻を利用した「浮瀬盃」は、いくつか現存する。多くは貝の穴を錆漆で塞いで岩を高蒔絵し、波や「浮瀬」の文字を平蒔絵してある。京都「角屋」にも、「浮瀬亭」ゆかりとされる「うき巣」盃や五点の鮑貝の盃が伝存している。立花家伝来品がどのような経緯で作られ伝来したか不明であるが、後には江戸にも「浮瀬」という同名の料亭ができたといわれ、あまりに有名であったために、写しが数多く作られていたとも考えられる。

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  • タイトル: 浮瀬盃
  • 作成者: 不詳
  • 作成日: 19th century, Edo period
  • 実際のサイズ: 縦6.4cm 横9.1cm 高2.0cm
  • タイプ: 漆工
立花家史料館

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