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会津風景

森田恒友1916

埼玉県立近代美術館

埼玉県立近代美術館
さいたま市浦和区, 日本

不同舎に学んだ後、東京美術学校卒業。石井柏亭らと雑誌『方寸』を創刊。1914年渡欧、セザンヌの作風に共感する。翌年帰国。22年〈春陽会〉の創立に参加。洋画家として出発するが、帰国後は水墨淡彩により、武蔵野や水郷の自然を詩趣あふれる筆致で描いて「平野の詩人」と称された。

第一次大戦の勃発により、1年半あまりで帰国した恒友は、滞欧中に学んだセザンヌの画風でさっそく日本の風景に取り組みました。この作品も喜多方から檜原湖、裏磐梯をめぐって会津に至る東北旅行に取材したものです。葉を落とした木立の間から集落を見下ろし、後方にゆるやかな起伏の山並みが連なっています。垂直と水平をたくみに組み合わせた安定した構図に、単純化し立体的にとらえた形態を方向性のあるリズミカルな筆づかいで描いており、まさにセザンヌ風の作品です。ただ、造形的な骨格やスタイルはセザンヌですが、彼本来の資質である淡泊で透明な詩的情感が色濃く漂っているのは見逃せません。その後、油絵は日本の湿潤な風土や日本人の体質には向かないと思うようになり、帰国後わずか2〜3年で水墨画の世界に転じていきました。

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