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阿弥陀如来坐像

不明11th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

平安時代後期には浄土教の流行とともに、人びとが阿弥陀浄土への往生(おうじょう)を願う心も、より熱をおびる。その結果、阿弥陀の浄土を現世で身近に感じるための拠りどころとして、阿弥陀像が多数つくられるようになる。そのような時代にあって貴紳たちが、これぞまさしく仏の真の姿であると賞賛したのが、11世紀前半から中ごろにかけて活躍した、かの大仏師定朝(じょうちょう)によって製作された木彫像である。これらを称して、定朝様(じょうちょうよう)といい、100年以上にわたって一世を風靡(ふうび)した。
 本像も定朝様の阿弥陀だが、比較的おおきな木材を寄せてつくる技法は古様である。まだ定型化していない伸びやかな体躯(たいく)の表現も、定朝の高弟長勢(ちょうせい)の作風を思わせるものがあり、本像の製作も11世紀後半までさかのぼるかと考えられる。
 かつて京都・久御山町の雙栗(さくり)神社の神宮寺である薬蓮寺(やくれんじ)に安置されていた本像だが、明治の神仏分離でおなじく久御山町の西林寺へと移された。ところが昭和36年の第二室戸台風で同寺は大きな被害を受け、本像も大きく破損してしまう。その後、幸いにもほぼ元の姿に修復することができ、京都国立博物館へと安住の地を移すこととなった。

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