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六器「東寺」銘

不明14th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

密教における法要では、多くの場合本尊を前にして壇(だん)と呼ばれる正方形の台を設け、そこに密教法具を並べて修法を行う。これら密教法具の中で、仏に閼伽(あか)(浄水)・塗香(ずこう)・花鬘(けまん)(樒(しきみ)の葉をもちいる)を供するために壇の四辺4面に並べる器が六器であり、鋺(わん)と托とのセット6口で一組をなすことからこう呼ばれる。壇の一面につき、中央に火舎(かしゃ)(香炉)を据え、その左右に内側から閼伽器(あかき)・塗香器(ずこうき)・花鬘器(けまんき)を並べ、ついで飯食器(おんじきき)と華瓶(けびょう)を置く。この壇一面分のセットを一面器とも呼び、実際の修法では右側に置かれた六器3口を前供養に、左側の六器3口を後供養に用いる。
 本品はやや厚めでぽってりとした口縁の造りや、鋺の背が高めである点、正和3年(1314)銘を持つ奈良・西大寺の六器との外形的な類似点が非常に多い事から、鎌倉時代末期の製作と考えられる。また、鋺・托の各外底に「東寺」と銘を刻むことから、京都・東寺の観智院に伝来した壇具の一部と思われるが、現在では多数が寺外に流出している。

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