セーターとパンツの構成によるスキー・スーツ。ウール・ニットを使い、防寒と動きやすさを追求している。また、当時スポーツウエアに限らず広く流行していた大胆な構成の幾何学柄が、デザインの力強いアクセントとなっている。
1924年、第1回冬季オリンピックがフランスのシャモニーで、28年には第2回がスイスのサンモリッツで開催された。スキーへの注目は一躍高まり、夏はリヴィエラの海岸、冬はシャモニーでスキーというリゾートの生活が有閑階級に広がった。1920年代半ばまで女性はスカート姿でスキーを楽しんでいた。しかし20年代後期になると、身体的な機能性に優れたパンツをはくようになる。