女性のためのスモキング(タキシード)・ジャケット。男性用のスモキングはエレガントな女性用のイヴニングの装いに変身している。
サンローランが最初のスモキング・スーツを発表したのは1966年春夏コレクション。ウーマン・リブが広がる社会的な潮流の中、彼はピー・ジャケット(1962年)、シティ・パンツ(1967年)、サファリ・スーツ(1968年)等々、男性用のアイテムを女性用に転換した作品を次々と発表。なかでもドレスが主流のイヴニングにアンドロジナス的要素を持ち込んで高く評価されたスモキング・ジャケットは、晩年まで繰り返し発表され、サンローラン作品を象徴するものだった。