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如来立像

不明4th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

仏教は中国に、遅くとも紀元1世紀の後漢時代初頭には伝えられていたが、当初から広く信仰されたわけではなかった。そこまでさかのぼる仏像の遺例は揺銭樹(ようせんじゅ)や墓室の壁面にあらわされたものなど、わずかな例がしられるだけである。仏教が広く流行し、仏像が盛んに製作されるようになるのは南北朝時代の5世紀以降のことだが、それに先がけ、4世紀の東晋あるいは十六国時代の製作と考えられる古様な金銅仏が複数確認されている。
 その多くは古式金銅仏と称される如来の坐像だが、本像は珍しく立像である。蓮の花をかたどった台座は本体と別に作り、そこに本体を差し込むが、現状ではしっかりとはまっていて抜けない。台座側面に「造像九躯」と読める刻銘がある。螺髪(らほつ)ではなく結い上げた頭髪に毛筋を刻み、明瞭にあらわされた両眼や太めの口ひげなど、その容貌にはガンダーラ風を色濃く残し、通肩(両肩を覆う着方)に身につけた衣もインド風である。これらの特徴から製作は4世紀までさかのぼると考えられる。
 ただし近年の研究で、これらインドないしはガンダーラ風を強く残した金銅仏には、南北朝時代以降、古式にもとづいて製作されたものが含まれている可能性も指摘されている。したがって今後研究が進めば、製作年代に関して見直されることになるのかもしれない。

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