江戸時代から明治時代にかけて、多色摺の技術を導入した浮世絵版画(錦絵)が流行した。錦絵は、現代の俳優やスポーツ選手のブロマイドなどとして、またニュース媒体として親しまれた。役者絵をはじめ、評判の美女を描いた美人画、各地の名所を描いた風景画など多くの画題があった。相撲絵は、当時の人気力士の姿や取組を描いた錦絵で、庶民の人気を集めた。この絵は明治中ごろの武蔵川大次郎と両国梶之助の取り組みを描いたもの。武蔵川大次郎は、現在の埼玉県秩父郡の出身で、最高位は西前頭4枚目。両国梶之助は、現在の茨城県結城市出身で、最高位は西前頭16枚目。