ロンパース形の水着は、アメリカン・スポーツウェアを確立したマッカーデルらしい作品。前後同型で、上下をシャーリングで絞っただけの極めて簡潔な構造。幼児服のような形態は、活動性や機能性を併せもっている。
マッカーデルは1930年代初めから、アメリカの既成服会社、タウンリー・フロックス社のデザイナーとして働き、40年、同社で自らのブランドを立ち上げた。第二次大戦により、パリに依存していたアメリカのファッションが自立していく40~50年代、独自の作品を次々と発表。シンプルでカジュアル、かつ若々しい「アメリカン・ルック」を定着させた。裁断線が少なく、明快な構造をもつ彼女の女性服は、その後の本格的な既製服時代への展開を大きく促した。