世界中にスキャンダルを巻き起こしたトップレス水着「モノキニ」。皮膚そのものが最も美しい服になり得るという、新しい身体意識をはっきりと打ち出した。
ガーンライヒは1960年代以降、人間の身体性を強く意識した作品を作り続けたデザイナー。64年にトップレス水着を出し、当時「ビキニ(Bi=二つ)」と呼ばれて流行していたツーピース水着に倣って「モノキニ(Mono=一つ)」と呼び、センセーションを巻き起こした。65年には肌色のナイロン製のブラジャー「ノーブラ・ブラ」など、新しい身体性を持つ作品を次々と発表した。70年には男女の性差を消すユニセックス・ファッションを発表し、既存の概念にとらわれない独自のアプローチを試みた。