次の場所
関連コンテンツを見る
織部には珍しく、作為が控えめで素直に成形された茶碗です。口縁から左右対称に斜めに黒釉をかけ、前後三角形に白抜きされた部分に、早蕨と蔓草が、それぞれ闊達な筆運びによって描かれています。早蕨とは、初春に芽を出したばかりのワラビのことですが、「石走る垂水の上のさわらびのもえいづる春になりにけるかも」と、有名な万葉集の歌に詠じられているように、瑞々しい春の情趣を表現する格好の題材と言えましょう。
美術館を探索し、Art Transfer、Pocket Gallery、Art Selfie などで芸術作品をお楽しみいただけます