居留地に隣接するヒョーゴ・ホテルの2階から、居留地海岸通を東方へ眺めた風景。左端の大きな建物はイギリス系の香港上海(ほんこんしゃんはい)銀行神戸支店。その向こうに外国の商館や領事館の建物が続く。中央の緑地帯は外国人が散歩を楽しんだプロムナード。「東洋で最も美しく、よく設計された居留地」と賞賛された神戸居留地のようすが、情緒豊かに描き出されている。
バーナード(Charles Burton Bernard 1853~1947)はイギリスのサマーセット州ラングポートで生まれ、ロンドンで育った。明治8年(1875)に商社の茶部門担当者として横浜に来航。同16年に独立し、日本茶の輸出を手がけて成功をおさめた。外国人たちの社交クラブや劇場の運営に貢献し、風刺漫画雑誌『ジャパン・パンチ』で知られる画家のチャールズ・ワーグマンとも親交を結んだ。