指揮官たちと戦略会議を開く国王は、ネーデルラント連邦共和国の大きな地図の一部に指を当てていますが、キューピットと、王の知恵(あるいは慎重)を擬人化したミネルヴァ、そして栄光の寓意もこの地図を指しています。中央の地図の近くには、やがて同時攻撃の決定が下る4つの都市、「ヴェーセル」(ヴェーゼル)、「ビューリッヒ」(ビューダリッヒ)、「オリソイ」、「リンベルグ」(ラインベルク)に関する4枚の地図が巻かれています。シャルル・ル・ブランは、この戦略会議のメンバーに極めて巧妙なヒエラルキーの階層を設けました。ルイ14世の弟君であるムッシュは国王と同列。大コンデ公は血縁君主として右足を第二階級にのせ、テュレンヌ子爵は無縁君主として両足をこの下層階級にのせています。舞台は兵士たちが戦闘に発つ準備を整えているざわめいた野営地です。