源為朝は為義の八男で、幼少の頃から兄たちを事ともしない乱暴者で、もて扱いに窮した父により、十三歳で鎮西(九州)に追放されてしまう。 三年もたたないうちに九州全域を服従させ、勝手気ままに振舞い、その狼藉ぶりは目に余るものがあったという。
五歳から弓を習い、天下一の強弓で敵を震え上がらせ、戦いにも巧みな豪勇鎮西八郎為朝は痘鬼神をも退散させたという逸話がある。平安の昔から業病はすべ て厄神のしわざという俗信があり、為朝が世に勇名をとどろかせてからは、「鎮西八郎為朝コノ家ニ在リ」のお札を貼ってある家には近づかなくなったという。
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