花柄やリボン柄、幾何学模様がリズミカルに配されたプリント。さまざまなモチーフや色が混ざり合いながらも見事な調和をなしている。
「プリンス・オブ・プリント」と呼ばれたエミリオ・プッチの優れたデザイン感覚を示している。
プッチの独特なプリント柄は、リゾートウエアや室内着、下着などのシンプルでゆったりしたフォルムの服においてその真価を発揮した。とりわけ、1950年代後半から始まる、米国の下着メーカー、フォームフィット=ロジャーズとの提携では、数多くのオリジナル柄が考案され、プッチのプリント柄は広く大衆に広がっていった。
服全体を埋め尽くすようにデザインされた色彩豊かな図柄は、60年代に人気を博したオプ・アートやサイケデリック・アートといった視覚芸術とも共振している。