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加彩婦女俑

不明8th Century

京都国立博物館

京都国立博物館
京都市, 日本

 俑とは、人形のこと。唐時代の中国では、貴人の墳墓には陶俑(やきもの製の人形)が盛んに副葬された。両手で、狆とみられる子犬を抱き上げた婦人の姿に形づくられたこの俑もその一例。唐時代の陶俑には、緑・茶・白などの多彩な釉薬がかけられた三彩陶器(唐三彩)の例が少なくないが、本例は素焼である。赤味を帯びた地土の上に厚く白泥を塗り、その上から顔料によって彩色しているものの、焼き付けられてはいないため、彩色はほとんど剥げ落ちてしまっており、髪の毛の黒や頬(ほお)の紅色に僅かにその痕跡を留めている。
 隋時代から唐時代初期(初唐)の婦女俑には、概して痩身のものが目立つのに対して、唐時代の最盛期(盛唐)には本例のようにふくよかな姿のものが多い。「楊肥趙痩」といって、漢の成帝の后・趙飛燕(ちょうひえん)が痩身(そうしん)の美人であったのに対して、盛唐の皇帝・玄宗(げんそう)(在位712~756)に寵愛(ちょうあい)されたことで著名な楊貴妃(ようきひ)(719~756)は豊満な美人であったというから、唐時代における婦女俑の体型変化は、当時の美人観の変容を反映しているようだ。

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