国重要文化財。
国宝投入堂の正本尊。像高116.4cm。檜材の寄木造で表面には金箔の装飾が見られる。左手剣印、右手三鈷は失われている。
悪魔を抑え、修験者を導く守護神。
神秘的なうちにも、動勢の誇張がなく、刀法もおだやかで平安時代(藤原文化)の特徴をもつ。日本の蔵王権現の中でも最古に近い優秀な作品である。
過去の修理の際に胎内から取り出された文書により仁安3年(1168)康慶(運慶の師匠)によって製作されたことが判明し、光背の年輪年代測定値も一致したことから、制作年代が明らかとなっている。
※「寄木造」とは幾つかの木材を継ぎ合わせて作成する技法。