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博多祇園山笠巡行図

不詳1686

福岡市博物館

福岡市博物館
福岡市, 日本

本図は博多祇園山笠を描いた最古の屏風絵である。中央に描かれた山笠の標題「三浦北条軍法記」の登場年を根拠に17世紀後期の作品といわれている。しかし、この標題は当時人気で、数年の間で6
回も登場しているため、厳密な年代は確定されていない。そこで、他の画像にも注目していろいろと年代についての情報を引き出してみる。まず、最初に注目すべきは左上の櫛田神社から出てくる山笠である。この飾りは、四季折々の草花に囲まれた2人の女性とそれを見上げる2人の男性という構図になっており、「東山」という札が見える。女性が鳥かごを手にしているのがポイントで、 「山と鳥」をキーワードにこの時期の標題から絞り込むと、貞享3(1686)年の四番山笠土居町上の「雲雀山」という答えが導き出される。「雲雀山」は謡曲の一つで、物語の内容もこの人形飾りとよく一致している。
続いては橋を渡る人物の小袖である。デザインは将棋の駒をあしらった大胆なもので、寛文期(1661〜68)頃に流行した小袖の特徴がよく表れている。
さらに、橋の左下にある店に掲げられた看板は江戸前期に隆盛をみせた伊丹酒のものであり、山笠の飾り付けをしている脇には18世紀には廃止される木戸が確認できる。
以上のことから17世紀後期というのは確実で、貞享3年の可能性が高いという結論となる。現在では山笠の代名詞となっている追い山が始まるのが貞享4年のことなので、その意味でも貴重な画像資料と言える。
ちなみに、櫛田神社にも本図と同じ絵柄の屏風が伝わっている。かつて屏風は全部で七つ有り、山笠の期間中それぞれの当番町に飾っていたという話が同社には伝えられている。【IDNumber1989P03429】参考文献:『福岡市博物館名品図録』

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  • タイトル: 博多祇園山笠巡行図
  • 作成者: 不詳
  • 日付: 1686
  • 実際のサイズ: w252.4 x h129 cm
  • タイプ: 絵画
  • 外部リンク: http://museum.city.fukuoka.jp/
福岡市博物館

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