本誌は、1912年から第一次世界大戦が始まる1914年まで、毎月1日、10日、20日と月3回、各号1279部限定で79号まで発行された。毎号1点から4点のファッションプレートとよばれるステンシル版画がおさめられ、終号までに186点が収録された。ステンシル版画とは、厚紙や金属板をくり抜いてブラシでカラーリングされた版画のことである。19世紀中葉からポスターなどの印刷に使用されており、19世紀末には、日本の型染、浮世絵を参考に改良されている。本誌に含まれるファッションプレートにおいては、衣装の素材の質感までも的確に表現し得ている。
本誌のファッションプレートは、ジョルジュ・バルビエ(1882-1932)、シャルル・マルタンといった当時の気鋭のイラストレーターによって制作され、時代の先端をいくトップモードが表現されている。本文も、家事に関する話題やモードの解説といったカタログ的な内容に偏っていたそれまでの雑誌とは一線を画す、文化的、芸術的要素が強いものとなっており、アナトール・フランス、ジャン・コクトー等気鋭の批評家、文芸作家等に寄稿させている。