レオ・シラードは、原子爆弾開発などに関わったハンガリー生まれのアメリカのユダヤ系物理学者・分子生物学者。カナ表記ではジラードとも。
アインシュタインを通じたルーズベルト大統領への進言によって原子爆弾開発のきっかけを作った人物として知られる。原爆開発の開始に大きな役割を演じたにも関わらず、第二次世界大戦末期には日本への無警告の原爆投下を阻止しようとして活動した点をもって、「良識派」と見なされることが多い反面、科学史研究家の中には、こうした見方を否定する研究家もおり、科学史上の評価は割れている。戦後は、核軍備管理問題に関して積極的な活動を続けた。一つのことを突きつめ業績を積み上げるよりも、知的放浪者として広い分野で創造的なアイデアを生み出すことを楽しみ、熱力学や核物理学から分子生物学に至る科学的研究に止まらず、社会的活動や政治的活動にも積極的に関わった。
1939年、アインシュタインにルーズベルト大統領へ核開発を促す有名な書簡を送ることを依頼したのをはじめ、シラードは他の科学者や有力者との接触によっていくつかの活動を影で支援した。