ガリレオ・ガリレイは、イタリアの物理学者、天文学者。
近代科学的な手法を樹立するのに多大な貢献をし、しばしば「近代科学の父」と呼ばれる。また天文学分野での貢献を称えて「天文学の父」とも呼ばれる。
最初は医学を学ぼうとピサ大学で学んだが、ユークリッドやアルキメデスの本を読むうちに数学や力学へと関心が移った。そのうち学資不足となり、大学を途中で去った ものの、比重や重心の研究などで頭角を現し、1589年~1591年にはピサ大学の数学講師、1592年~1610年にはパドヴァ大学の数学教授として勤務。物理学分野では、「振り子の等時性」に関する研究や「斜面上をころがる物体の運動」に関する理論などを出発点として 1604年頃には落体の運動法則の数学的定式化を完成させた。自然現象に対して、数学的手法および思考実験を用いて迫り、実験によって検証するというガリレイの方法は、「科学」の方法を新たに確立するのに大きく貢献するものであった。
天文学分野では、みずから改良したガリレオ式望遠鏡を使って木星の衛星、月面の凹凸、太陽の黒点などを発見し、『星界の報告』を著した。1610年に「トスカナ大公付きの数学者」という名誉ある地位、1611年にはローマのリンチェイ・アカデミー会員となった。
主著の『天文対話』Dialogo sopra i due massimi sistemi del mondo, tolemaico e copernicanoや『新科学対話』Discorsi e dimostrazioni matematiche intorno a due nuove scienze attenenti alla meccanicaは、いずれもイタリア語で書かれ、しかもいきいきとした対話形式で書かれた本であり、当時の「学術書というのはラテン語で書くもの」という学術的伝統の殻を打ち破って、自身の文学的才能も見せつつ、彼自身は「nuove scienze」と呼んだ、現在の自然科学へと繋がる手法を創始した書である。