太和殿は、中華人民共和国北京市に位置する故宮博物院を構成する歴史的建造物。明清代における王宮であった紫禁城の中心を構成し、皇帝の即位、皇后冊立などの重要な儀礼が実施される場となった。皇帝権力を象徴するための意匠が各箇所に散見され、民間建築との差異が際立たされた設計となっている。俗称は金鑾殿。
太和殿は三層の漢白玉による石台の上に建築されている中和殿・保和殿と合わせて三大殿と称されている。それに三大殿東側の文華殿、西側の武英殿を加えたものを外朝と称している。三大殿は紫禁城の中心線上に位置し、太和殿内部の玉座がその中心線上に設置されている。この中心線が明代における北京城の中心線となっている。