伝統料理: 過去と現在 - 野菜

スペインには地理的多様性と豊富な資源を反映した幅広い料理があります。レシピは世代を超えて受け継がれており、それぞれの料理の起源には興味深いストーリーがあります。

Gazpachoスペイン王立ガストロノミー学会

ガスパチョ

このシンプルで美味しい冷たいスープはアンダルシア地方に起源がありますが、スペイン全土で夏の代名詞となっています。

Gazpacho ingredientsスペイン王立ガストロノミー学会

トマト、ピーマンまたはパプリカ、ヴァージン オリーブオイル、塩、ビネガー、パン

これらは基本的な材料ですが、たとえば、にんにく、きゅうり、玉ねぎなどを加えて、家庭ごとに異なるオリジナルのガスパチョを作っています。

一般に、ガスパチョには、玉ねぎ、トマト、ピーマン、きゅうり、ゆで卵、パンなどを細かく刻んだトッピングを添えます。

現代の料理人たちは、サクランボ、イチゴ、ビーツなどを加えてレシピをアレンジし、ガスパチョを前衛的な料理に変身させています。

Gazpachoスペイン王立ガストロノミー学会

歴史に満ちた料理

「ガスパチョの起源は、ローマ軍団が水筒に入れて持ち運んだ『ポスカ』という飲み物に由来します。水、ビネガー、塩、刻んだハーブから作られていました。後に、アンダルシア地方で同じようなレシピで作られるスープが登場し、にんにく、オイル、パンが追加されました」と、歴史家の Almudena Villegas 氏は説明します。

しかし、マラガ出身の Fernando Rueda 氏は、ガスパチョの起源はアンダルシア地方の田舎で労働者がパン、にんにく、ビネガー、水で調理した料理にあると考えています。

主な材料としてトマトが追加されたのは 18 世紀頃で、そのとき、ガスパチョの舞台は田園地方から貴族階級の食卓へと昇格したのです。

Cooking gazpachoスペイン王立ガストロノミー学会

専門家のヒント

パン(できれば白パンが望ましい)と刻んだ完熟トマトを混ぜて数時間か一晩置いておくと、トマトから出た水分がパンに染み込んで、ガスパチョの風味が増します。

"Papas arrugadas con mojo"スペイン王立ガストロノミー学会

パパス アルガダス コン モホ

このしわの寄ったジャガイモはカナリア諸島で栽培されたもので、小さいけれど香りが良く、前菜やメイン料理の付け合わせとして出されます。

"Papas arrugadas con mojo" ingredientsスペイン王立ガストロノミー学会

ジャガイモ、塩、モホピコン ソース

一般に、このジャガイモ料理には「モホ」という 2 種類のソースが添えられます。赤いソースはオイル、ビネガー、赤唐辛子を混ぜて作ります。赤唐辛子をスパイスとして使うため「ホットソース」とも呼ばれます。

緑のソースは、緑の唐辛子、コリアンダーかパセリ、にんにくで作り、オイルとビネガーで乳化させます。

"Papas arrugadas con mojo"スペイン王立ガストロノミー学会

カナリア諸島のジャガイモ

この小型のジャガイモはアメリカ大陸からカナリア諸島にもたらされ、そこからイベリア半島に伝わりました。

カナリア諸島の島々では 29 種類ものジャガイモが栽培されています。これらの品種は原産地名称保護制度のもとで「Papas Antiguas de Canarias(カナリア諸島の伝統的なジャガイモ)」という名称に分類されています。

Cooking "papas arrugadas con mojo"スペイン王立ガストロノミー学会

調理

ジャガイモの皮にしわを寄せるには、脱水作用を利用します。少量の水(鍋の中でジャガイモがひたひたになる程度)と多めの塩で、強火でフタをせずに煮詰めてください。

Stew with vegetablesスペイン王立ガストロノミー学会

メネストラ デ ベルドゥラス(野菜の煮込み

このカラフルで美味しい野菜の煮込み料理では、それぞれの材料が持ち味を発揮しながら、他の材料と一体となって、素晴らしい風味を作り出します。

"Menestra de Verduras" ingredientsスペイン王立ガストロノミー学会

グリーン アスパラガス、空豆、グリーンピース、アーティチョーク、にんじん

野菜は別々に下茹でして、程よい硬さまで煮込みます。作るのに時間がかかりますが、美味しい出来上がりを考えると価値ある作業です。

Cooking stew with vegetablesスペイン王立ガストロノミー学会

春の煮込み料理

アラゴン、ラ リオハ、カスティーリャ イ レオン、ムルシアなど、野菜が育つ地域の代表的な料理です。良質な野菜が栽培されているナバーラ州トゥデラのレシピが最も有名です。トゥデラの煮込み料理は、材料の野菜が旬を迎える春に作られます。

Stew with vegetablesスペイン王立ガストロノミー学会

調理

この煮込みのソースは炒めた野菜とともに煮詰めて、最後に加えられます。

「もっと風味を加えたい場合は、エクストラ ヴァージン オリーブオイルの一部を、ドングリを食べて育ったイベリコ豚のハムの脂で置き換えるとよいでしょう」と、アランビケ料理学校の María Llamas 氏はアドバイスしています。

今回のレシピでは、アーティチョーク、アスパラガス、空豆、グリーンピースという「4 枚のエース」をにんじんと組み合わせています。

提供: ストーリー

テキスト: マリア ガルシア氏。イスマエル ディアス ユベロ氏(国際連合食糧農業機関(FAO)のスペイン代表常任委員、在ローマ スペイン大使館では農林水産や食の担当顧問)、マリア ラマス氏らの協力のもと執筆を担当。スペイン王立ガストロノミー学会会員。

画像: ダヴィド デ ルイス氏

謝辞: ラファエル アンソン氏(スペイン王立ガストロノミー学会代表)、エレーナ ロドリゲス氏(スペイン王立ガストロノミー学会ディレクター)、マリア ガルシア氏およびキャロリーヌ ヴェルイーユ氏(いずれもスペイン王立ガストロノミー学会貢献者)

スペイン王立ガストロノミー学会

この展示は、スペインの食文化について取り上げた Google Arts & Culture とスペイン王立ガストロノミー学会による共同プロジェクトの一部です。

提供: 全展示アイテム
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