アンダルシアの料理

山や畑、海に囲まれて

Olive oil and olivesスペイン王立ガストロノミー学会

アンダルシア地方はさまざまな味覚に溢れ、メニューも種類も豊富です。地中海沿岸や大西洋沿岸の海岸地域は、クロマグロ、ハモン イベリコやオリーブオイルなどの食材で有名です。

Red mullet with confit of vegetablesスペイン王立ガストロノミー学会

アンダルシアの食の宝庫

2 つの水域が交わる地域での特徴として、なんといってもシタビラメ、スズキ、マダイ、ウミヒゴイ、イワシ、ウェッジソール、メルルーサ、ナミノコガイ、ツブ貝(巻き貝)、チューブ アネモネ、サンルーカル産のクルマエビ、そしてウエルバ産の白エビ、といった多様な魚介類が挙げられます。特に海岸沿いではこうした新鮮な海の幸が豊富に取り揃えられており、あらゆる形態で提供されます。

Tuna tartare (traditionally caught fish) served tapas dishスペイン王立ガストロノミー学会

この地域ではクロマグロも重要な魚とされており、毎年大西洋から地中海へ経路に沿って移動する様子が確認されています。クロマグロは群れで移動するため、カディス県では「アルマドラバ(定置網漁)」というユニークな漁法でマグロを水揚げしています。

Custard applesスペイン王立ガストロノミー学会

バルバテやイスラ クリスティナ産のマグロや、アンダルシアのヒラソウダ ガツオ、サバを使った塩漬けの「モハマ」は、その品質が保証されるこれぞ珍味という一品です。その他にもセグレーニョのラム、エスカセナのヒヨコ豆、ラ カニャーダ産のトマトをはじめ、コスタ トロピカル地方のチェリモヤやマラガの干しブドウなどの果物といったさまざまな特産品があります。

Iberian pigs in the Dehesa fields出典: Arturo Sánchez

イベリコ豚といえばアンダルシア定番の豚肉です。さまざまな調理方法がありますが、中でも塩漬けのソーセージは絶品です。

Millenary Olive Oil from Maestratスペイン王立ガストロノミー学会

ハモン イベリコ、オリーブオイル、そしてシェリー

アンダルシアのさまざまな食材

Iberian ham sliceスペイン王立ガストロノミー学会

この 3 つの食材は、国際的にも人気の高いスペインの代表的な料理です。「ハブゴ」と「ロス ペドロチェス」という 2 つの主なハムの原産地は、それぞれウエルバとコルドバです。

Olive trees, Designation of Origin "Sierra Mágina"スペイン王立ガストロノミー学会

山岳地帯と低地という変化に富んだ地形を持つアンダルシア州では、多様な気候に応じたさまざまな種類のオリーブオイルが生産されており、それぞれの味や風味に個性が見られます。

Sherry vineyardsスペイン王立ガストロノミー学会

シェリーもまた世界でこの地域にしか見られない名産のワインで、カディス県のヘレス デ ラ フロンテーラ、エル プエルト デ サンタ マリア、サンルーカル デ バラメーダの 3 都市が主な生産地です。

Tortillita de camaronesスペイン王立ガストロノミー学会

伝統的なアンダルシア料理: さまざまな文化の融合

アンダルシアの文化や料理には、アラブ人、ローマ人、ギリシア人、フェニキア人、カルタゴ人、西ゴート人といったあらゆる民族の影響が残っています。

Gazpachoスペイン王立ガストロノミー学会

冷たい料理には、有名な「ガスパチョ」、ニンニクやアーモンドから作る「アホブランコ」、トマトとパンを使ったコルドバの「サルモレッホ」やマラガの「ポラ アンテケラナ」といったスープがあります。また、魚のスープやシチューをはじめ、豆や野菜、キャベツで作る温かいシチューもあります(「ポタヘ」や「オジャ ヒターナ」など)。

Deep-Fried Fishスペイン王立ガストロノミー学会

魚や魚介類は主に揚げ物にされることが多いのですが、マグロとタマネギ煮込みや、タイをトマト、ピーマン、タマネギと煮込んだ「ア ラ ロテーニャ」、またはイワシの串焼きといった調理法もあります。この地域の代表的な煮込み料理には、「リニョーネス アル ヘレス(腎臓のシェリー和え)」、鶏肉の「ペピトリア(アーモンドと煮込んだ鶏肉のフリカッセ料理)」、コウイカと空豆の煮込み、「メヌード ヒターノ(ハチノスとヒヨコ豆の煮込み)」、ニンニク風味の子ヤギ肉の煮込みなどといったものがあります。

Tapas—chickpeas with spinachスペイン王立ガストロノミー学会

アンダルシア: タパスのすべて

Casserole dish of garlic prawnsスペイン王立ガストロノミー学会

タパスはスペイン国外にも広まるほど人気があり、特にアンダルシアに深く根付いた食文化です。アンダルシアのバーではさまざまな種類の料理が用意されており、人気のある地元のメニューをまさに「つまみ食い」することができます。

Deep-Fried Fishスペイン王立ガストロノミー学会

バーの店内やテーブルに座って、エビのフリッター、「パパス アリニャーダス」(アンダルシア風のポテト サラダ)、クルマエビ、「サルモレッホ」(冷製トマトスープ)、揚げ物のおつまみなどを、地元の有名なワインと一緒に食することができます。

to be translatedスペイン王立ガストロノミー学会

アンダルシアのオリジナル特製料理

Dani García's liquid gold ingotスペイン王立ガストロノミー学会

マラガのシェフであるダニ ガルシアは、アンダルシア地方の料理の再活性化という流れの中で主導的な役割を果たしています。ダニ ガルシアの作る洗練された料理は、アンダルシアの伝統的なレシピやさまざまな食材を、地元ならではのルーツを保ったままでまったく新しいメニューへと変化させました。こうしたやり方は、後進のシェフたちが独自の料理を生み出す中で模範となっています。

Rice with plankton, sea snails, quinoa, and aioli出典: Restaurante Aponiente

このようなガルシアの手法に倣うシェフの 1 人として、アンヘル レオンがいます。「海鮮のシェフ」とも呼ばれる彼は、さまざまな海産物を使って数々の試行錯誤を繰り返し、料理にもその成果をいち早く取り入れています。プランクトンを使用して「エンブティードス デ マル」、別名「海のソーセージ」を作り出したのは他ならぬアンヘル レオンです。

"Karim" pistachio cream出典: Restaurante Noor

パコ モラレスはアンダルシア料理のもう 1 人の有名シェフで、「アル アンダルス」と呼ばれるムズリム スペインのメニュー、そしてこの地域におけるアラブ文化の影響を再現という使命を実現しました。コルドバの「ノオル」を本拠地とするパコ モラレスの代表的な料理はこの地域特有のもので、未知の味覚、調理技術、食材をふんだんに用いた非常に独創的なレシピを編み出しています。

提供: ストーリー

テキスト: シルビア アルタサ氏。フェルナンド ウイドブロ氏(アンダルシア王立ガストロノミー ツーリズム学会代表)の協力のもと執筆を担当。

画像: スペインの食とワイン / スペイン貿易投資庁 / ダヴィド デ ルイス氏 / レストラン「ノオル」 / レストラン「ダニ ガルシア」

謝辞: ラファエル アンソン氏(スペイン王立ガストロノミー学会代表)、エレーナ ロドリゲス氏(スペイン王立ガストロノミー学会ディレクター)、マリア ガルシア氏およびキャロリーヌ ヴェルイーユ氏(いずれもスペイン王立ガストロノミー学会貢献者)

スペイン王立ガストロノミー学会

この展示は、スペインの食文化について取り上げた Google Arts & Culture とスペイン王立ガストロノミー学会による共同プロジェクトの一部です。

提供: 全展示アイテム
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