源氏物語図帖

土佐光吉・長次郎筆(重要文化財) 

源氏物語図帖(17th Century) - 作者: 土佐光吉・長次郎京都国立博物館

縦25.7㎝、横22.7㎝の小画面に、肉眼では捉えきれないほど細緻な表現をほどこしたこの作品。描かれているのは、日本を代表する文学『源氏物語』の各場面。

源氏物語図帖(17th Century) - 作者: 土佐光吉・長次郎京都国立博物館

全54図のうち35図は桃山時代に活躍した土佐光吉(1539~1613)によって、19図はその有力弟子と思われる「長次郎」という人物が描いたと考えられています。ここではそのほんの一部をご紹介いたしましょう。

源氏物語図帖(17th Century) - 作者: 土佐光吉・長次郎京都国立博物館

桐壺

源氏(白い服の少年)は、鴻臚館(こうろかん)で高麗人(緑の服の男)と対面する。
高麗人は源氏の顔を見て、帝に昇りつめる相であるが、そうすると国が乱れるという。
これを聞いた帝は源氏を臣籍に降ろした。

高麗人と対面する源氏

源氏物語図帖(17th Century) - 作者: 土佐光吉・長次郎京都国立博物館

空蝉(うつせみ)

源氏は空蝉という女性を忘れられず、邸宅を訪ね、彼女が碁を打つ姿を垣間見る。
夜更け、源氏を敬遠する空蝉は彼の訪問を察知し寝床を抜け出す。
源氏は部屋に入り、空蝉と思いこんで、さきほどの碁の相手であった軒端萩(のきばのおぎ)に近付く。

碁を打つ空蝉と軒端荻

源氏物語図帖(17th Century) - 作者: 土佐光吉・長次郎京都国立博物館

若紫

病を患った源氏は、北山を訪ねる。
そのとき、あこがれの女性である藤壺に生き写しの少女を垣間見た。
その後、少女を育てた尼君が死去すると、源氏は彼女を引き取った。
少女は後の紫の上である。

軒先に出る少女

源氏物語図帖(17th Century) - 作者: 土佐光吉・長次郎京都国立博物館



賀茂祭の日、源氏に思い焦がれる六条御息所は、行列を見物しに行く。
そこで、源氏の正妻である葵の上一行と場所争いの大騒動を巻き起こす。

細緻な牛車の装飾

源氏物語図帖(17th Century) - 作者: 土佐光吉・長次郎京都国立博物館

澪標(みおつくし)

明石に流されていた源氏は、許され都に戻り、昇進した。
秋には住吉に盛大な参詣を催した。

源氏物語図帖(17th Century) - 作者: 土佐光吉・長次郎京都国立博物館

玉鬘(たまかずら)

歳末、源氏と紫の上は女性たちに贈る新年の着物を選んだ。
源氏が昔愛した夕顔の娘で、九州で育ち上京したところを源氏が養女として迎えた玉鬘にも、美しい着物がくばられた。

着物を選ぶ女性たち

源氏物語図帖(17th Century) - 作者: 土佐光吉・長次郎京都国立博物館

胡蝶

春、源氏の邸宅で船楽(ふながく)が催される。
池に船を浮かべ、華麗な宴が夜通し続いたのだった。

鮮やかな衣装を身にまとう舞人たち

提供: 全展示アイテム
ストーリーによっては独立した第三者が作成した場合があり、必ずしも下記のコンテンツ提供機関の見解を表すものではありません。
ホーム
発見
プレイ
現在地周辺
お気に入り