作成: NHKエデュケーショナル
NHKエデュケーショナル「美の壺」
【お月見】プロローグNHKエデュケーショナル
平安貴族から江戸庶民まで、日本人は月を神聖視し、鑑賞してきました。特に空気が澄みわたる中秋の月を特別のものとし、月の美しさを歌いあげてきました。
平安時代、貴族などの間では、月を愛でながら、和歌を詠んだり、楽器を奏でたりする、宴が催されていました。池の水面や杯の酒に月を映して愛でた、貴族たちの優雅な様子が、古今集にも歌われています。
【お月見】供え物出典: 西陣くらしの美術館 冨田屋
鑑賞ポイント② 供物
日本人は月見をする際、供物をしてきました。信仰の対象である月に、豊かな実りを感謝し、収穫物を捧げたのです。 ススキは“お月様”を招く目印、依り代です。
十五夜は別名「芋名月(いもめいげつ)」とも言われます。生命力が強いとされる「里芋」を、団子の替わりに、あるいは一緒に供えたためです。 関西では、秋に収穫した里芋の初物を月に供える風習が、今も残っています。
【お月見】月に祈る出典: 西陣くらしの美術館 冨田屋
《江戸風俗十二ケ月之内 八月 月見之宴》国立国会図書館デジタルコレクションより(楊洲周延)出典: 国立国会図書館デジタルコレクション
Under an autumn full moon, the time passes luxuriously and elegantly.
協力:
© tamayura39 – Fotolia
国立国会図書館デジタルコレクション
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西陣くらしの美術館 冨田屋
写真:渞忠之
音楽:Ryu (Ryu Matsuyama)
英語サイト監修:
前﨑信也 (京都女子大学 准教授)
マリサ・リンネ(京都国立博物館)
制作:NHKエデュケーショナル
©NHK2017