ヨハネス フェルメール: 最も有名な無名の画家

Editorial Feature

作成: Google Arts & Culture

真珠の耳飾りの少女(c. 1665 (digitized by Madpixel)) - 作者: ヨハネス・フェルメールMauritshuis

謎めいた画家の絵画 36 点を初めて、同じ場所で鑑賞できます

2017 年、絵画購買プラットフォーム「Meural」の調査によって、『真珠の耳飾りの少女』を見たことがあるにもかかわらず、描いた画家の名前を言い当てることはできなかった米国人は 82% にのぼることが明らかになりました。実際にヨハネス フェルメールによって描かれたものでありながら、この最も有名な絵画の作者の名前は知られていないという事実が、こういった複数の調査によって浮き彫りとなりました。世に知られた絵画であっても、フェルメールの名は記憶に残らないのです。

フェルメールは、オランダの黄金時代にオランダの人々や風景を描きました。当時のオランダは、貿易、科学、軍事、芸術が世界で最も繁栄した時代です。しかし、1675 年のフェルメールが死去すると、その作品を購入したのはたった数人の収集家だけだったために、1 世紀以上も忘れ去られることになりました。幸いにも、1842 年にこの画家の作品を再評価したテオフィル トレ ビュルガーは、今ではおなじみの他のオランダ黄金時代の画家の作品とともに、フェルメールの作品を復活させることを決意しました。

Girl with a Pearl Earring by Johannes Vermeer (From the collection of Mauritshuis)

『真珠の耳飾りの少女』はフェルメールの最も有名な作品ですが、『牛乳を注ぐ女』、『デルフトの眺望』、そして『取り持ち女』もまた彼の描いた作品の一部であり、ほとんどの画家がなし得なかった光の捉え方を見ることができます。フェルメールの絵画は大部分が失われてしまっており、わずか 36 点が残るのみです。収集家が残された作品に大きな価値を見出しているからではなく、美術品窃盗団もそのことを認識していることこそが証拠であると言えるでしょう。たとえば、1974 年には『ギターを弾く女』、1971 年に『恋文』、1990 年には最も有名な『合奏』など、フェルメールの絵画は何点かが盗難にあっています。フェルメールの盗難作品についてはこちらで詳しく説明しています。

今日でも、フェルメールと、レンブラント、ハルス、ファブリティウスといった同時代の画家たちは、彼らの世界観や描写方法によって人々を惹きつける魅力を持っています。こうした画家たちの作品を見るために、芸術品を見ながら世界を旅することを使命であると感じた人々が出てきたほどです。最も有名なフェルメールの信奉者の 1 人である福岡伸一教授は、世界を旅した 4 年間のことをまとめたユニークな旅行記『フェルメール: 光の王国』を 2015 年に出版しています。この本では、光の魔術師としてのフェルメールの作品の背後にある神秘を発見するために、作品が常設展示されている美術館を巡った記録がつづられています。

The Milkmaid(ca. 1660) - 作者: Vermeer, JohannesRijksmuseum

The Milkmaid by Johannes Vermeer (From the collection of Rijksmuseum)

Google Arts & Culture を使えば、自分だけの巡礼の旅に出ることができます。7 か国、18 の文化機関の協力により、現在存在が確認されている 36 点すべての絵画が初めて公開されています。



Google Arts & Culture では、世界各地のフェルメールの絵画を 360° のデジタル展示で鑑賞することができます。さらに、超高解像度写真によってフェルメールの作品内に隠された細部を観察し、彼の人生や絵画形式、残された作品に関するストーリーを通じてフェルメールの詳細について深く知ることができます。



フェルメールの作品を知るために、この画家の 36 点の絵画のすべてをこちらでご覧いただいたり、こちらでその生涯について深く考察したりすることもできます。

取り持ち女(1656) - 作者: ヨハネス・フェルメールOld Masters Picture Gallery, Dresden State Art Museums

The Procuress by Johannes Vermeer (From the collection of Old Masters Picture Gallery, Dresden State Art Museums)

提供: 全展示アイテム
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