京都には「西陣織(にしじんおり)」という日本を代表する織物があります。西陣と呼ばれる地域で作られる12種類の織物がその対象であり、その中のひとつである「絣織(かすりおり)」のことを「西陣絣」と呼びます。織物は経糸と緯糸を織って作られます。その経糸を手括りで防染して染め、組み替えたりずらしたりすることで模様を作り出す西陣織が「西陣絣」です。
絣の命ともいわれる工程が「括り」です。墨打ちに従い、糸を染めてはいけない部分に綿糸や耐水性のある紙、ゴムチューブなどをしっかりと巻き付けます。染色後に素早くほどけるよう、糸の括り方にも工夫が施されています。
括りを終えた糸は、染色工場で専門の職人によって染められます。糸は再び絣工房に戻され、括りを外されます。 一度に染めることができるのは一色のため、染める色の数だけ括りと染めの工程が繰り返されます。